WAVをテキストに。 ファイルサイズの話も添えて
WAVをテキストに変換するのに、事前の形式変換は要りません。.wavファイルをそのまま読み込みます。WAVは非圧縮なので、長さではなくサイズのほうが先に上限に達する唯一の音声形式です。このページでは、その境目がどこにあるかをアップロードの前にお伝えします。
.wavファイルはどこから来るのか、そしてなぜ生き残っているのか
WAVは、機器があなたの代わりに判断しないことを選んだときに出てくる形式です。Windowsのボイスレコーダー、Audacity、ハンディレコーダー、会議室の設備、そしてほぼすべてのプロ用インターフェースが既定でWAVを書き出します。マイクが拾ったものを、何も捨てずにそのまま保存するからです。
1991年に登場したこの形式は、同時期に生まれたもののほとんどより長生きしました。特許もライセンスも、選び間違えるような派生形もありません。これまでに書かれたあらゆる音声ソフトが.wavファイルを開けます。スタジオやアーカイブが今なおこれを標準にしているのは、その信頼性ゆえです。
同時に、WAVファイルが巨大であることも意味します。CD品質の非圧縮音声は1分あたりおよそ10MB、同等のMP3のおよそ10倍です。このページで以降述べることのほとんどは、この一点から導かれます。
容量の大半は捨てられなかった音
WAVは生のPCMサンプルを保存します。「どの音なら気づかれないか」を心理音響モデルが判断していません。そもそも圧縮が行われていないからです。
サイズは10倍
CD品質で1分あたり約10MB。1時間のインタビューは620MB近くになります。アップロードの段になって効いてくるサイズです。
どこでも読める
コーデックのインストールも、ライセンスも、派生形もありません。30年経ってもレコーダーやアーカイブ系のシステムが既定で使い続けている理由です。
長さより先にサイズ
他のどの音声形式でも、先に効いてくるのは長さの上限です。WAVではファイルサイズが先に来ます。下の表はそのための一覧です。
WAVをテキストに変換するとは何をすることか
WAVをテキストに変換するとは、ファイル内の非圧縮PCM音声に対して音声認識をそのまま実行することです。事前に何かを変換することはありません。認識器はサンプルをあるがまま読み取り、話された言葉をタイムスタンプ付きのテキストとして返します。
WAVをテキストに変換するにあたって、最初のアップロード前に知っておく価値のあることが4つあります。そのうち1つは、多くの人の思い込みと食い違います。
- 形式変換は不要 .wavを先にMP3にする必要はありません。文字起こしの前に非可逆形式へ変換すると、認識器が使えたかもしれない情報を減らすことにしかなりません。
- 可逆であることの効果は思ったより小さい 同じ録音の128kbps MP3と非圧縮WAVの差はごくわずかです。精度を動かすのはマイクとの距離や環境音であり、その影響はファイル形式よりはるかに大きいです。
- 認識はどのみち16kHzで動く 音声モデルは内部でおよそ16kHzのモノラルを扱います。96kHz/24bitのマスターも認識の前にダウンサンプリングされるので、余分なデータはアップロードを遅くするだけです。
- タイムスタンプは音声から 各行にいつ話されたかが付きます。だからこそWAVの文字起こしもSRTとして書き出せます。あとで映像と合わせるときに役立ちます。
WAVをテキストに変換する4ステップ
すべてブラウザ上で完結します。インストールも、開始前の変換工程も不要です。
.wavをそのままアップロード
ファイルをそのままドラッグしてください。ブラウザから直接ストレージへ送られます。これは他の形式以上にここで効いてきます。WAVは、途中にサイズ制限があればその多くが弾かれてしまう大きさだからです。
音声はそのまま読まれる
PCMサンプルは中間エンコードを挟まずに認識器へ渡されます。途中で削られることも、劣化することも、再圧縮されることもありません。
音声認識が走る
話されている言語が100以上の中から判定され、結果はタイムスタンプ付きのセグメントに分かれて返ってきます。その場で読んで直せます。
必要な形式で書き出す
資料や議事録ならプレーンテキスト、あとで映像と組み合わせる予定ならSRTやVTTです。
10分のWAVなら通常1分以内に返ってきます。ほとんどのファイルでは、文字起こしよりアップロードのほうが時間がかかります。単純に運ぶメガバイト数が多いからです。
.wavで届く録音
共通しているのは、形式を選んだのが人ではなく機器であり、その機器が利便性より忠実さを選んだという点です。
ハンディレコーダー
記者や研究者がWAVで録るのは、それが機器の信頼する形式だからです。1時間のインタビューはおよそ600MBで届きます。
Audacityのプロジェクト
既定でWAVとして書き出されます。すでに整音済みであることも多く、文字起こしには恵まれた素材です。
会議室の設備
据え付けの音響機材は非圧縮で記録します。音質はたいてい良好で、天井マイクは今もテーブルの向こうのスマートフォンに勝ります。
法務・医療の口述
圧縮は改変の一種とみなされるため、規程で非圧縮が求められることがよくあります。精度への要求も、この領域が最も高くなります。
ポッドキャストのマスター
編集済みデータはWAVで保管し、MP3は配信用にだけ作られます。マスターを文字起こしすれば、劣化を一世代ぶん省けます。
アーカイブとオーラルヒストリー
保存を目的とする収蔵ではWAVが標準です。何十年ぶんものテープをようやく検索可能にするのがテキストです。
30分のインタビュー CD品質でおよそ310MB。問題なくアップロードでき、15,000クレジットです。
90分の講義 およそ930MB。1GBの上限に十分近いので、先にFLACへ変換しておく価値があります。
2時間の録音 およそ1.2GBで上限を超えます。FLACかモノラルにすれば、同じ音声が余裕で収まります。
5分のボイスメモ およそ52MB。無料プランの範囲に十分収まります。無料枠は非圧縮音声でおよそ9分半ぶんです。
何を入れて、何が出るか
WAVとその他の音声
MP3・M4A・FLAC・OGG・WebMも同じ扱いです。覚えておくと役立つのはFLACで、WAVと同じく可逆でありながらサイズはおよそ半分です。
読むためのTXT
タイムコードあり・なしを選べるプレーンテキスト。WAVの文字起こしの多くはここに行き着きます。議事録、引用、検索できる記録です。
SRTとVTT
同期済みのファイルです。音声のみの録音でも、あとで映像と組み合わせたり、プレーヤー付きで公開したりする場合に役立ちます。
100以上の言語
自動判定されます。途中で言語が切り替わる録音も、それぞれの箇所が話されたとおりの言語で書き起こされます。
あなたのWAVファイルに何かが書き戻されることはありません。文字起こしは別のドキュメントで、元の録音はそのまま残ります。
WAVの文字起こしの品質を実際に決めているもの
非圧縮の音声は目に見えて精度が高い、という思い込みは広く共有されていて、WAVからテキストへの向き合い方そのものを形づくっています。しかし実際はそうではありません。理由を知っておけば、見当違いのところを最適化せずに済みます。
- 可逆かどうかは決め手ではない 同じ録音の128kbps MP3と非圧縮WAVは、ほぼ同じ結果になります。圧縮が捨てているのは音声が占める帯域より上の周波数で、認識器はもともとそこを使っていません。
- マイクとの距離は決め手になる 2メートル離れたレコーダーは、声と一緒に部屋を録ります。部屋がにじませたものは、ビット深度をいくら上げても戻りません。この一点だけで、形式全体より重い影響があります。
- サンプリング周波数はほとんど効かない 認識はおよそ16kHzで動きます。それより上はモデルが見る前に捨てられるので、96kHzは44.1kHzに対して何の利点もありません。
- クリップは元に戻せない レベルが高すぎて波形の頂点が潰れていたら、その言葉はもう戻りません。非圧縮とは、その歪みが忠実に保存されたという意味でしかありません。
- BGMは相変わらず邪魔をする 会話の下に敷かれた音楽は、一定のノイズより認識を妨げます。文字起こしの前に取り除いてください。可逆かどうかは、ここでは何の違いも生みません。
サイズ上限に当たるまで、WAVはどこまで長くできるのか
ここが、WAVからテキストへの変換が他のあらゆる音声形式と異なる唯一の点です。有料プランは1ファイルあたり120分または1GBまでですが、非圧縮音声はあまりに大きいため、WAVだけはギガバイトのほうが先に尽きます。120分ではなく、およそ99分です。数値は特記のない限りステレオのものです。
| 形式と品質 | ビットレート | 1分あたり | 1GBで収まる長さ | とるべき対応 |
|---|---|---|---|---|
| WAV 44.1kHz 16bit(CD) | 1,411 kbps | 10.3 MB | 約99分 | 90分未満なら問題なし |
| WAV 48kHz 24bit(スタジオ) | 2,304 kbps | 16.9 MB | 約60分 | アップロード前に変換 |
| WAV 44.1kHz 16bit モノラル | 706 kbps | 5.2 MB | 約198分 | 音声用途には十分 |
| WAV 16kHz 16bit モノラル | 256 kbps | 1.9 MB | 約9時間 | 認識が実際に使う規格 |
| FLAC(可逆圧縮) | 約700 kbps | 約5 MB | 約200分 | 両方の利点 |
| MP3 128kbps | 128 kbps | 0.9 MB | 約18時間 | 非可逆だが余裕あり |
実務的な結論: WAVがおよそ90分を超えるなら、アップロード前にFLACへ変換してください。FLACは可逆で、サンプルはビット単位で同一のまま戻りますが、保存に必要な容量はおよそ半分です。これで上限は99分から3時間超へ動きます。モノラルにすればさらに半分になり、音声認識はどのみちチャンネルをまとめるため、話し声の用途では何も失いません。やる意味がないのは、念のためMP3に変換することです。確かに収まりはしますが、すでに越えていた上限のためにデータを捨てていることになります。
テキストになると何ができるか
以下のツールはすべて、文字起こしと同じクレジット残高から使えます。追加の契約は必要ありません。
WAVの文字起こしについて
最初のWAVを無料でテキストに
新規アカウントには約10分ぶんの文字起こしが含まれています。非圧縮音声ならおよそ100MBのファイルにあたります。実際の録音を一本通して、自分の音声で結果を確かめるには十分です。
WAVファイルを文字起こし